TOP > 大きな矛盾 (2004/6/30)
会計士受験生における大きな矛盾を指摘しておかなければならない。
いや資格試験全般にいえることだろうが・・・・。
皆さんはなぜ公認会計士の資格を取ろうと考えておられるだろうか?
その動機は大きく分けて2つあるだろう。
・収入、ステータス
という経済的欲求からの人。
・社会的意義、自分との適正
という使命感からの人。
多くの人は経済的欲求からこの資格を目指している。後で述べるが私もそうだった。手に職のない30親父が転職に困らないのは会計士だったのだ。だからこそ、簿記のボの字も知らないのに試験を受けようと考えたのだ。(当時はね。今は違うようだが・・・)
もちろん使命感から目指す人がいないとは言わない。しかしそれは少数だろう。
また経済的欲求と使命感の両方ある人もいるだろう。もし受験生にアンケートで答えてもらえば、おそらく「両方」という答えが多いだろう。
しかし誤解を恐れずいえば、「「両方」または「使命感」からこの資格を目指している」という人は自分にウソをついている。
この時点で、自分で自分のウソを見抜けない人は合格可能性は著しく低い、と私は考えている。自分に素直でないものは試験という制度では大きな不利をしょっている。
さて、この経済的欲求は、人間の持つ安定性欲求に根ざしている。
つまり「楽したい」
ということである。
「楽して金儲けたい」「資格をとればなんとかなる」
と言ってもいいだろう。
たいへん悲しいことであるが、「楽したい」という人間であるほど「他人がなんとかしてくれる」という「甘ちゃん」であることがほとんどだ。
ところが知っての通り、最近の制度改革で合格率があがってきたとはいえ、公認会計士試験は最終合格率4%〜5%程度(三次試験を含め)の難関試験であり、他人に頼りがちな甘ちゃんが簡単に合格するようなものではない。
甘ちゃんほど安定的な資格を求める。
しかし甘ちゃんが合格するのは難しい。
安定だけを求める者ほど安定から遠ざかる、のだ。
この悲しい矛盾を前に、あなたはどう考えるだろうか。
受験生の多くは、この大きな矛盾をかかえながら勉強している。
逆にみれば、この矛盾を乗り越えさえすれば、とたんに、それだけで、合格可能性が飛躍的にアップすることだろう。
安定を目指すことが悪いことだとは少しも思わない。むしろ人間としてまっとうな欲求だ。
しかし、安定とは不断の努力によって、ようやくもたらされるものだということを自覚することが、安定への第一歩なのだ。
もし、この文章を読んで「私はそんな甘ちゃんではない。」と不快な感情を持ったらお詫びしたい。
しかしその人はなぜ「不快な感情」になったかをよく考えていただきたい。
それは、図星だからだ。
「ああそうだよなあ」と思った人は素直な人である。あなたは少数派だと思う。同時にこのホームページに書かれている以上のことをスンナリと実践していける素養を持っていると思う。すーと読み飛ばしたらここはもうみなくてかまわない、とっとと勉強にかかった方がいい。
ともあれ、このような甘ちゃんがいるおかげで、実質合格率は倍程度になっているだろう。。
先日もある会計士が言っていた。受験生の半分はそもそもお話にならない人たちだからね、と。
そして専門学校はきょうも儲かる、こうした人たちのおかげで。
試験不合格の人がみんな甘ちゃんなどと言うつもりはまったくない。合格者が、not甘ちゃんであるというつもりもない。
全力を出し切ってダメだった人もいるだろう。しかし、いいではないですか、全力を出したのなら。全力を出してダメだったのなら、あなたは、そうとうに爽快な気分のはずだ。いや多少の落ち込みはあろうとも、全力を出していれば、次の手段は冷静に考えられるはずだ。
私もかつて甘ちゃんだった。
いや、今でもともすれば甘ちゃんになってしまう。
人間とはなんて弱いものかと、最近つとに思う。
資格取得がスタートライン。その言葉の重みをかみしめて、日々研鑽の毎日である。
なんてね。でも、おき楽に考えるときもないと、息が詰まってしょうがないのもまた事実。神様は罪作りだね。
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