TOP > 2005 短答試験 現役会計士が解いてみた (2005/6/27)
最後の方に簿記の点の取り方に対する考え方も書きましたので参考にしてください。
今年は「簿記で失敗しました」という声を多数いただいた。
どんなもんじゃろお、と考え、私も解いてみました。
恥ずかしい結果となりましたが、これも事実ですので、ありのままにお伝えしましょう。
きょう(日曜日)も休日出勤で、家に帰ってきて、解き始めたのが夜の11時です。1時間の制限時間を決めて簿記だけときました。
疲れたので、これを書いている今も、あまり詳細な部分までは検討していません。
第1問
仕訳の問題。
ア)みるも、あっているような間違っているような。引当金の戻りがないけど・・・。▲とした。
イ)別に間違っていないよね。○
ウ)「級数法」?忘れたは、そんなもん。飛ばし。
エ)こりゃ明らかな間違い。これで、選択肢は2か3しかなくなった。
オ)たぶんあってりるね。
よって、答えは3を選択 (正解)
選択肢に救われたとはいえ、結果的には楽な問題。
第2問
ア)これは合ってます。○
イ)これは間違っているでしょう。たぶん。×
ウ)これは明らかに間違い。ここで選択肢は3か4に絞られた。
3と4をみるとエ)は、どちらも○だから、勝敗を決するのはオ)ですな。さて。
オ)これは明らかに間違い。
よって、答えは3を選択 (正解)
これも選択肢に救われたとはいえ、楽な問題。特に、ウ)、オ)は明らかに間違いなので、これだけで解ける易問。
第3問
ケアレスミスをしてしまった。
先日付の処理をあせって、マイナスして、1を選択してしまった。
ちゃんと見直せば、わかるのに・・・。しなかった自分が悪いのです。ハイ。
落ち着けばとれる問題。
第4問
ちょっとだけ手を付けて、とばしました。こんな問題解いたらあきまへん!
時間がなんぼあってもたりまへんで。
第5問
なんやこれは。ひととおり条件文も読んでみたけど・・・・。少し検討してとばし。
第6問
ボーナス問題。これは落としたらいけませんね。
第7問
ちょっと考えてしまった。実務であんまりこういう処理ないんでね・・・。なんていうのは言い訳で。
新しい備品の取得原価を正しく算定できるかどうかがポイントでしょう。
落ち着けばなんてことない問題。
本試験の現場であせるとこういう問題は落としがち。気をつけましょう。
第8問
キャッシュフロー。
最初は、備品の購入支出を営業キャッシュにいれてしまうミス。もし、選択肢にどんぴしゃの金額があったら間違っていたことでしょう。
でも、おかげさまで間違いに気づいたので、落ち着いて2をゲット!! (正解)
ここでポイント! よく間違えるのは、キャッシュのプラスマイナス。 間違えないようにするには、以下の順番を守るとよい。 まず、前期と当期の差額の絶対値をBSの右横に全部の列を書いてしまう。 そのあと、ひとつづつ、「えーと、これは資産で、売掛が減ったということはキャッシュ影響はプラスだから+。商品が増えたら、その分買っているのだから、マイナス。買掛金が増えているということは、その分支払わなくて済んでいるのだから、キャッシュ的にはプラス。未払賃金が増えているのも同じくプラス。前払が減ったということも、これも逆ならマイナスだから、ここはプラス・・・・・」などと、プラスマイナスをしっかりと把握していくのです。 これを数字の計算といっしょにプラスマイナスの区分をやっていると、あわてて間違える可能性がものすごく高い。特に資産、負債でプラスマイナスが逆になるので、絶対に、数値の計算と符号のチェックを同時にやってはいけないのである。 これは私の受験時代からの鉄則で、実務でも役に立っている。 ぜひお試しあれ。 |
で、今のプラスマイナスは、税引前利益に対してのものだから、これを、営業キャッシュ9,270になるように逆算していけば答がでるわけやね。
第9問
最初はややこしそうだからとばそうかな〜と思って、選択肢をみると、なんと自己株式の値さえでれば、他は計算しなくても済む問題ではないか!
試験委員様ありがとう。僕とラスカルと合わせてくれて。
と思ったら、なぜか思った数字ない。悩むこと3分。あ、なんだ持ち分80%という大前提を忘れていた。もうおじさんは疲れてます。
落ち着いて、持ち分80%と、自己株式は取得原価評価、という大原則さえおさえていれば、それで終了。(正解)
第10問
えっ、これが2次試験ででるの!?
と思った問題。私は3次試験でしこたま対策したため、なんとかなったが、二次受験生にはつらいでしょう。
これは落としてもしょうがない。転換社債の利息の調製をわすれがちなんだよね。
役員賞与が費用処理というのもひっかけ。かな〜り意地の悪い問題。二次試験なら、もう少しストレートでもいいだろうに。
結構これで時間とってしまった。もし、私の二次試験にこれがでていたら、全く解かないで、他の原価計算でも時間を回したことでしょう。
(もっとも当時は、この基準はなかったが・・・)
この時点で55分程度たっていた。
もう少し見直しでもすればいいのでしょうが。もう勘弁してください。疲れました。
で、結局、以下の結果に・・・。
第1問 | ○ | 易 |
第2問 | ○ | 易 |
第3問 | × | 易 |
第4問 | × | 難 |
第5問 | × | 難 |
第6問 | ○ | 易 |
第7問 | ○ | 易 |
第8問 | ○ | 易 |
第9問 | ○ | 易 |
第10問 | ○ | 難 |
現役会計士でもたいしたことないのがわかるだろう。(いや、私だけが頼りないのか・・・・!?)
今でも、私はスピードが遅い。だって、第4問、第5問はちょっと手を付けただけで、時間をほとんどかけていないのだから。特に第4問なんて2分程度だろう。
でもね。スピードなんかなくても、捨てるべき問題がどれか、さえわかって、取れるべき問題を落ち着いてとれば、十分に合格点になるのはわかるでしょう。
第10問は、解けなくても仕方ないにしても、「易」だけで7問ある。本番の緊張でケアレスミスをしたとしても、悪くても5〜6問はいけるはずだ。(5問だと他でがんばらないといけないけどね・・・・。)
簿記が得意であれば、7問をさっさと正解して、残り3問のうち、1問だけに集中して正解すれば、8問いける。
たしかに今年は難しかったようですね。でも、それは他の受験生も同じなのだ。
敵は本試験でなく、他の受験生なのだから。
試験問題というのは、戦争での「地勢」にすぎない。皆同じ問題を解いているのだ。
だから取れない問題に時間を割くよりも、解けそうな問題を絶対に落とさない、という姿勢が必要になる。
実は、
解けそうな問題を絶対に落とさないためには、スピードは必要条件ではない!
のだ。
かといって理解が必要条件かというとそうでもないのだが、
ただやみくもスピードを追求するよりも、理解を追求した方が、解くべき問題を落とさないという点では有効なのだ。
スピードについては、よく間違える人がいるが、
必要なスピード:条件文をみたときに、どのような仕訳が必要で簿記一巡のどこ位置するか、という簿記本質のスピード
必要ないスピード:個別の問題の解き方のスピード (答練スピード、と呼ばせてもらおう)
専門学校で、答練スピードばかり鍛えても意味がないのがまだわからない人がいるのか。
大切なのは、簿記本質のスピードだ。問題の解き方なんぞ覚えてどうする!?
簿記の解き方、というのは、解き方を通じて、簿記の本質を理解するのには必要だが、それを覚えることは百害あって一利なし、ということがまだわからないのか。
第4問、第5問が私にとって難題だったのは、問題形式ではない。
簿記本質の部分で自信のない部分があるから、飛ばしたのだ。
有価証券の部分時価評価法と外貨の組み合わせなんて、もう詳しい部分は忘れたし、これだけ入り組んでいれば、「不正解の可能性高い」ことは、割とすぐにわかるのだ。
貸し倒れ引当金についても、個々の仕訳や計算方法が自信がないから、とばしたのだ。
簿記本質の部分に自信があれば、どんな奇抜な問題形式が来たって、それなりに解けるものなのだ。
問題8や問題2などは、見慣れない形式や表現であろうが、簿記本質がわかっていれば、おちゃのこさいさい、なのだ。
と、ケアレスミスや、二次試験短答を間違えたり、時間がなくて解くのをあきらめたりする会計士の言葉では、信用できないかもしれないが・・・・。
簿記本質のスピードといっても、私だって別に特別早いわけでなく、どちらかといえば、遅いほうだ。
偉そうなこと言っても、もう少し試験委員がいじわるな選択肢を用意していれば、4問正解程度だった可能性もある。
(もっともそのように試験委員がいじわるすれば、平均得点も下がるので、合否には関係薄いのだが・・・・)
私の能力のなさは笑いたくば笑えばよろしい。
しかし、そんな者でも、ちゃんと戦略的に勉強すれば、トップは無理でも、7%の中に入るのは十分に可能性のあることなのだ。
簿記の問題は10問。しかし私が実質的に解いたのは8問だ。1時間で10問解いて6点よりも、1時間で8問解いて7点の方が合格可能性が高いのだ。
難しい問題は、解いてはいけないのだ。時間が余ったときだけ、挑戦すればよい。
私は今でも思う。すごい能力がなくても、戦略と戦術次第でこの試験は十分に戦える。
大切なのは、その戦略と戦術が、自分に合っているかどうかなのだ。
だから何度もいう。何度でもいう。繰り返して言う。 自分を知ることが大切だと。
ああ、もう午前2時になっちゃたよ。しっかり寝ないとバルカン人は、頭ふらふらになるんだよ・・・・。
ホントは、3時間かけて、全部解こうかと思ったんだけど、すいません。できませんでした。
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