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受験生通説批判

 受験生通説

  1 みんなができない問題はできる必要がない。(埋没問題になるから)したがって、高度な応用力はいらない。

  2 みんなができない問題は落としてはならない。


 私はこの受験生通説が、「一部」、誤っていると思っています。過去の本試験の特殊問題というのは、ほとんどがいわゆる本質的理解(イメージ構築)をしていれば、点がもぎとれるようになっています。少なくとも、原計の過去問を分析する限りそう思います。例えば、原価をどのような比率で分配するのが最も理論的かどうかとか、意思決定において必要な原価概念はどういうものか、そもそも企業にとって、製品原価とは何か、とか。しかも原計は、特論ばかり近年はでていました。

 したがって、特殊問題への対応方法はやり方次第で意外と簡単に見つかるし、これは、他にも応用が利くものと思います。私は原計の過去問を解いていて、びっくりしましたよ。それが難問ということにではなくて、試験委員の要求する理解水準にです。もちろん問題にもよりますが・・。
 この試験に合格するには基本的な事を完璧にする事プラスちょっとした応用力だと思っています。その応用力で貯金をすることで、避けがたいケアレスミスでの損失をカバーすることができると思います。ほんとに「みんなができることだけできる状態」は、ケアレスミスの許されない、とてもタイトな条件での勝負になってしまうと思いますよ。

 こう書くと、誤解して特殊問題にばかり目を向ける人が出てくると、また批判されそうですが、もちろん応用のためには基礎力が必要でしょう。それがないのに応用ばかり求めてもうまくいかないのは自明です。私は、合格力は「基礎的事項は絶対完璧」タイプよりも、「基礎的事項はまあ普通、プラス難問対処能力あり」の方が高いと思っています。ホームラン答案を1つだけなら書くのは意外と簡単で、ミスを完全になくす事は異常に難しいと思います。逆説的ですが、難問対処能力の育成は基礎能力をアップさせる効果があると思います。それは、特殊問題ほど基本の理解が重要だからです。


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 多くの受験生は、「ミスを完全になくす」ことに挑戦しています。これは堅実なようで、一番リスクが高い方法です。人間の特性を考えれば、現場でのミスをなくすことはできないのですから、ミスは必ず発生すると考えたうえで、それをカバーする方法をさらに考える必要があると思います。もちろん、根本のミスをなくす努力は必要です。でも、多くの人はやり過ぎなのです、しかも、間違った方法(過大な問題演習)で。