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「言葉」を大切に


Q 定義って正確に書けるようになる必要はあるのでしょうか?

 私は、全体の流れを外さないような答案を書くのがまず一番大切であると思います。しかしそれは定義はどうでもよいという意味でなく、逆に「定義は、必ず、正確に書ける」という状態にする必要があるとは思います。結果的にちょっと定義の言葉が足りないのは仕方がないにしても、最初から定義は大体の意味でよい、と考えるのは危険です。
 「定義とは、○○○○○○」(byLEC大恩師講師)です。したがって、論理的整合性を重んじる商法においては、定義の不正確さは、試験委員の心証をかなり悪くすると思います。
 例えば「株式とは、細分化された株式会社の所有持ち分」という大体の表現と「株式とは細分化された割合的単位としての株式会社の社員たる地位」というのでは天と地ほどの差があります。「持ち分」では「地位」を表さないし、「割合的単位」が抜けていれば、1株の等価値性を表さなくなってしまします。その後の論理展開に必要だからこそ、定義をかきます。それが不正確であれば、その後の文章も不正確になります。逆にいえば、その後の文章に過不足なく対応できるように定義は書いておく必要があります。
 しっかり覚えるべき定義はあります。しかし、それは少数です。わざわざ定義集など作る必要もないでしょう。覚えるべきものは、ちゃんとした講師なら教えてくれるはずです。


他に、たとえば、監査論の場合

 監査は科目の性質と、試験での出題形式から、定義暗記の必要性がでてきます。
 商法が1枚の解答用紙にざっとかくのに比べ監査論は、短い解答用紙に、それこそ、定義だけ書けばOKというような出題形式です。だからいきおい、定義暗記の重要性は増します。
 「十分な監査証拠」と「多くの監査証拠」では全く意味が違いますし、「重要な虚偽記載」と「重要な誤謬」も全く意味が違います。監査論は言葉の小さい部分が以外と重要だったりするのです。
最低でも実査、立会等の監査技術の定義や、監査基準などを暗記する必要はあるでしょう。

 ○○さんの言うように、いくら定義集で定義を覚えても答案全体の構成がなっていなければ、点が低いのは当然で、全体の流れを外さない答案を書くように心がけることはとっても大切なことだと思います。しかし、定義もそれなりに重要ですから、大体の意味で・・・とは思わない方がよいとは思います。逆に、きちんと理解さえしていれば、定義の暗記はさほど難しくありません。だって、その言葉をまさに「定義」するために、必要十分な言葉こそが、定義なのであり、足りない部分もあれば無駄な部分もないのです。それは正確な理解があれば、わかります。
 ただ、その後の論理構成に必要のないエレメントをあえて省いて定義するという高等テクニックもありますが、これはひとつ間違えると定義も書けないやつ、という印象を持たれるので注意が必要だとは思います。

 定義集を丸暗記するのは愚の骨頂、という点は大筋で賛同しますが、定義を甘くみるのは危険であると思います。


以上、引用終わり、以下、追補。

 実務でも「言葉の定義」が問題になることがよくあります。Sppk'sLogの過去ログ「実務でも理論が必要なる時」をご参照ください。

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