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Q 商法の用語には、日常語にはほど遠い言葉が使われていますが、本当に、あのような堅苦しい言葉を使う必要があるのでしょうか?日常用語でも理路整然と書けばいいような気もします。
ある程度、堅苦しい言葉は必要です。公認会計士試験は法律の専門家になる試験ではありませんが、やはり実務的には法律も必要だから試験科目になっているのです。
で、法律の専門家とは「テクニカルタームを駆使して論理構成する」ということを前提としています。だから「思うに」とか使った方がいいと思います。これを「私は考えるところは・・・」なんてやると試験委員の心証を悪くします。「瑕疵」を「・・・に不十分な点がある場合」なんて書いた場合も同様です。逆に、こういう「思うに」「だとすれば・・・はずである」「なぜならば」等というテクニカルタームは文章を論理的に構成するのに便利だから、テクニカルタームとして使われているのです。だから、意識的にこういった言葉使いを答練で使うことによって、理解が増します。なぜならば、そのテクニカルタームを使うということは、文章を論理的に組み立てるということであり、そのためにはしっかり理解されていなければならないからです。逆説的ですが、テクニカルタームという形式的なことが、論理的理解を促進する面もあるのです。
もちろん、本当の専門家は、こういった言葉を使わずとも、やさしく法律論を語ることもできるでしょう。でも、それは試験では求められていません。私たちは、法律の専門家である試験委員に向かって答案を書くのですから、なるべくテクニカルタームは使うべきです。試験ですから点を取らねばなりません。
だからといって自分の言葉で書いては絶対だめというわけではないのです。最終的には論理的な構成ができていればいいわけですから、必要最低限のテクニカルタームを使い、細かい部分は自分の言葉で書く、というのが費用対効果の点でよいと思います。
例えば、
「思うに共同代表の趣旨は会社の利益保護のためである。(堅く) ・・・ 一人の代表取締役にすべての権限を集中させた場合、権利の濫用も可能性も高まるため、相互牽制、英知の結集のために設けられているのである。(自分のことば) とすれば、・・・・・(堅く)」(条文ナンバーは省略しています)
などとすれば、堅い表現だけところどころに散りばめるだけで、ぐっとしまりがよくなります。
また上記の例もさらに短く書く場合は、自分のことばの部分だけを省けば、よいだけです。
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