みんな頑張れ!なんて言えない

公認会計士試験は相対試験。

一定数は必ず合格するし、他は全員落ちる。

よく予備校講師や大学教授などが、みんな頑張れ、と言うけれど、私は心の底から「みんな」「全員」頑張れ、なんていえない。

合格発表後、「合格した方、おめでとうございます。落ちた人は残念でした。」なんて、季節の挨拶文。
高みの見物からなぐさみの言葉をかけているに過ぎない。

受験生を養分にしているだけ。
受験生を応援する自分に酔っているだけ。

ひとり、ふたりには寄り添えても、受験生の多数、全員に寄り添えることなんてできない。
そもそも、「寄り添う」ってどういうことだ?
ただただ、相手の心が乱れないよう、そしてそれは、自分が何かに役に立っているという感覚を得たいだけの自己満足。
身も知らぬ人にどうやって寄り添えるんだよ。


人生は理不尽。運もあれば、なくもある。
人生は厳しいことは満載。遺伝や環境の影響の大きさはもちろんあれども、究極的には、自分ひとりでなんとかせねばならない。
 
 
寄り添ったり、みんな頑張れ、は、発言者本人も受験生もwinwinという側面はあるのであろう。

でも私は、それが耐えられないというだけの話。
 
 
私は、かつての私に似た境遇、それは経歴や環境というだけでなく、心の持ちようも含んだ、似た者、であるがまだ見ぬその者に対して頑張れ、というのみ。

じゃあ、なぜ、受験生一般にあてて、合格体験記集など運営するのか。
いいのだ、それは、かつて私が受けた恩を、恩送りするためだから。