監査法人の思い出

2022/09/01
私、監査好きなのです。
でも今はやっていません。ゼロから監査事業所を立ち上げるだけのリソースや気持ちの強さまではないですし。

その昔、会計士補時代、中堅監査法人に所属していました。

出入り自由の組織

その法人は、「うちは出入り自由の組織、外に出て学んで、また帰ってきてその知見を生かして、法人のバリューを上げて欲しい」というスローガンを常日頃、幹部勢が口にしていました。非常勤の方もそれなりに多い職場でした。

私が、2年目にして監査法人を退職しようとした理由はいくつかあるのですが、一番は、「このままでは三次試験(当時)に合格しない」という危機感でした。

仕事は大好きだったし、手を抜くのも嫌だったので、かなりの時間を仕事に使っていました。ワークホリックでした。

そうすると、三次試験の勉強などとてもじゃないけど手に付ける時間がとれず、焦っていました。

というわけで、法人スローガンを真に受けて、「いったん退職し、三次試験に専念し、頭と身体の調子を整えたい。」ということを申し出ました。

お前は対象ではない

すると、「貴方は出入り自由の対象ではない。辞めないで欲しい。」と突然の通告。そして、一度辞めれば戻れない、という趣旨のことを言われました。
何度も確認しました。が、全く納得できないことでした。

確かに、経営陣からみれば、会議で生意気なことを言って経営批判したりしていましたので、「こいつは体の良いこと言って一方通行で退職するつもりだな。」と思われたフシはあります。

だからなんなのでしょう。一方通行で辞めることはそもそも止められることではありませんしね。

ひょっとしたら、「ややこしいことばかり言うお前なんか、もう戻ってこなくていいよ」という趣旨だった可能性はゼロではありませんが、「貴方は出入り自由の対象ではないから、辞めないで欲しい」と繰り返し慰留されたので、そうではないものと信じています。


私は戻りたい気持ちありありで、それも伝えたのに、このサブスク働き者を逃したくないと思ったのかどうかわかりませんが(当時は残業代などつかなかった)、出入り自由の対象ではない、と繰り返し言われ、そう、私は、一方通行で退職せざるをえませんでした。

なので、仕方なく会計士補事務所として独立し、二度と、その法人に戻ることはありませんでした(若干の非常勤監査はさせてもらった)。

監査は好きだった

未だに謎の対応なのですが、本当は、監査法人に戻って監査をやりたかった。
特に、厳しくなりつつあった中小監査法人の監査手続と理論的な保証業務の品質とをマッチさせるようなことをしたかった。
その思いは果たされることなく、今に至っています。