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日商・簿記検定と会計士試験 (Spok's LogT時代のもの)

 「日商1級をとってからでないと会計士試験は難しい。」「いや必要ない」などといろいろな意見があるようです。
 私は、「現状で日商1級をもっている人は有利ではあるが、絶対的なアドバンテージでない。現状でもっていない人は、わざわざ取得する必要はない。せいぜい腕だめしのつもりで受ける程度でいいのではないか」と思います。
 私自身といえば勉強をはじめて半年後の日商1級に申し込んだのですが、講義と重なってしまい、受験しませんでした。勉強しはじめの頃は、日商1級をもっている人がうらやましかったです。こっちはこんなに苦労しているのにいいなあ・・・と。しかし、年明けごろには、そういう人たちになんとか追いつけるようになりましたし、1級取得者にも、ちゃんと理解して取得した人と暗記で乗り切った人の実力差はかなりあると感じました。日商1級は、強引な暗記でもなんとか対応できてしまうのです。きちんと理解して体系だった簿記知識を身につけていることを前提とすれば「会計士試験の簿記は、日商1級にちょっとだけプラスアルファで対応できる程度のもの」(TAC加藤講師)という言葉に同調することができます。過去問答練を行えばわかります。しかし、強引な暗記のみに頼った知識を前提とすれば「会計士試験の簿記は日商1級よりはるかに難しく、1級はたんなる入り口にすぎない」ということになるのだと思います。
 日商3級、2級、1級と駆け上がった場合、強引な暗記学習になりがちだと私は思います。なぜならば、体系理解のためには、財務諸表論、簿記論(理論)といった理論を学ばねばなりませんが、2級、3級には理論テストがないために、勉強の初期で丸暗記に頼る学習方法に慣れがちになってしまうのです。また、1級の理論も、制度が主であり、会計士の財務諸表論に比べるとそれほど系統だっていないので、あまり十分とはいえないと思います。
 もっとも、こういった弊害を知った上で、順に取得していくことが悪いとは思いませんし、時間の都合などによりそうせざるを得ない人もいることでしょう。そういった方々には、早めに、簿記の基本書を読むことをお勧めします。
 ただし、会計士に向いているかどうか、正しくは簿記に向いているかどうか、を判定するために、日商試験を受けてみるという使い方にはいいかもしれません。いわゆる適性検査的な使い方ですね。ただし、すでに会計士になる気持ちを固めている人であれば、日商取得は回り道になるので、とっとと会計士コースに入った方がいいと思います。

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