プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)の書評

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1 必読の理由  39 point獲得のBEST書評  支持率 79.64 %

 読むべき本である。 しかし、その理由は「この本の主張、論証が正しい」からではない。 マックス・ヴェーバー以前に、ここまでまとまった、論理性のある資本主義の成立論を打ち出した学者がいなかったがゆえに、この本以降の学者にとって、ヴェーバーに反論することが論文を書く上での一つの要件になったからである。 そういう意味では、他のレビュアーの方々の意見はちょっと問題があるのではないか、という気もする。 マル………しては特に問題はないように思う。 個人的には資本主義の歴史を述べた本としては、高価で大部であるがフェルナン・ブローデルの「物質文明・経済・資本主義」を推したい。

このレビュアーはお薦め度を4としています。

2 ビジネス書として 面白いと思いませんか?  36 point獲得のBEST書評  支持率 90.04 %

会社で掲げられるVISIONであるとか 経営方針に 人間として共感できるものが もっと必要であるというのが最近の小生の意見であったが 一方 そんなことが可能かと疑問も思っていた。 そんな小生に対し 本書は 目から鱗という感じであった。個人的な禁欲をいう宗教が 営利追求の資本主義をもっとも育てたという ある意味でのアイロニーは 人間のもつ複雑さと 可能性を思わせた。 岩波文庫の白であると ちょっと引く人も多いかもしれないが これは面白い本です。

このレビュアーはお薦め度を4としています。

3 経営書としても示唆にとむ  24 point獲得のBEST書評  支持率 72.74 %

大学時代に読んだ本書を20年ぶりに読み返してみて、経営書としても貴重な存在であると再認識した。我々がビジネスをしている近代資本主義が、実は高い精神性を持った活動に裏付けられ誕生したことをウェーバーは提示するが、同時に彼は、一度成立した資本主義はその高い精神性が欠如しても存在しつづける構造を内在化しているとの歴史的アイロニーを指摘する。日本企業の経営に高い精神性が欠如しつつあることを懸念する一経営者として、資本主義誕生の原点に触れることで、その思いをさらに強めることとなった。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

4 併せて読むと理解が深まる一冊  23 point獲得のBEST書評  支持率 79.34 %

論旨は商品の説明の要約にある通りなのだが、本書は日本人が理解しにくい(誤読しやすい)箇所がいくつかある。その大部分については訳者の大塚久雄氏の解説によりフォローされている。先入観無しに精読したい向きを除いては、まずは本書末の解説を先に読むと理解の助けになるだろう。特に「禁欲」「史的多元論」は正確に把握しておきたい。本訳と本解説についての大塚氏の功績は大きい。 しかし大塚氏の認識にも大きな誤りがあ………が。なにせ訳者でさえ誤認しているのだ)。このあたりの詳細は大塚氏の弟子である山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』に端的にまとめられているので、併せて読まれたい。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

5 宗教社会学の名著  21 point獲得のBEST書評  支持率 84.04 %

 いわずと知れた宗教社会学の名著である。資本主義の成立をウェーバーなりの理論により説明している。 「近代」資本主義の成立はプロテスタンティズムの禁欲的側面から成立したと彼はいう。 当時としても斬新な論文であったと思われる。 論文自体は少々難解ではあるが、とりあえず読み進めてください。最後に訳者の大塚氏の解説がたいへんわかりやすいので、内容が充分に理解できなくてもご心配なく。 時間のない方はとりあえず解説を先に読んで読み進めるのも効果的だと思われます。

このレビュアーはお薦め度を4としています。

6 古くて新しい本  17 point獲得のBEST書評  支持率 81.04 %

私がこの本を最初に読んだのは、およそ5、6年ほど前になります。うる覚えですが、確か社会科学論文の形式の原形となった本だそうで、論文の書き方を学ぶために読んだ覚えがあります。あまりの量の多さに、脚注をすべて飛ばして読みましたが、これでも内容を把握する上では十分でした。最近読み返したのは、今更ながら欧米の宗教的文化に深い関心を抱くようになったからでして、とりわけ宗教上の原理主義や聖戦といった、日本人に………えカトリシズムではなくプロテスタンティズムなのか、こうした問いに答えられるようになるだけでも欧米の文化を理解する上では、必ずや大きな一歩になるとだろう思います。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

7 今年はプロ倫100周年  12 point獲得のBEST書評  支持率 70.64 %

標題の指摘をしていたのは、今はジョンズホプキンス大学で教師をしているフランシス・フクヤマ氏がNYタイムズの読書欄に書いたエッセイで知らされた。 ドイツ思想史のつもりで学生時代に読み、アメリカ論であったので二度びっくり。だがしかし、ヨーロッパ思想の源流としての中世キリスト教を踏まえた宗教と資本主義の関係分析には目から鱗だった!あれから何年経ったのか? 名著は何時までも名著です。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

8 カルヴィニズムを学ぶ上でも役立つ  12 point獲得のBEST書評  支持率 66.74 %

学生の基本書として大学時に提示された一冊です。 カルヴィニズムの予定説の教義が禁欲主義に繋がり、それが資本主義を生み出したというヴェーバーの思想は、古典ながらもぶっとんでいて面白かったです。 そして何よりも、本書において抽象的な理解のままだった予定説について具体的に理解できたのが良かったです。確かに世の中は不条理だし、神による救済が既に決定されているという印象を持ちます。 昨今、芸能人やらタ………差ありません。 いずれにせよ、予定説を理解することでメルヴィルの『白鯨』なども初めて理解することができると思うので、文学を学ぶ上でも本書は非常に役立ちました。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

この書評の本は・・・・・ プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)