逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)の書評

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1 近代化の成功と引き換えに失ったベルエポックを描く  52 point獲得のBEST書評  支持率 92.94 %

すでに失われた日本のベルエポックを、外国人の目を通して描いています。 気をつけたいのは、著者が強調しているように、これは普遍的な「日本」論、「日本人」論ではないということです。19世紀(江戸末〜明治中期)の、特………の成功と引き換えにそれは失わざるを得なかったということで、胸がつまる思いがします。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

2 日本人が気にとめていない日本の良さ  37 point獲得のBEST書評  支持率 92.54 %

この本を読んで、百数十年前の日本の認識ががらりと変わりました。 著者は江戸末期から明治初期に来日した外国人識者の目から、当時の日本人にとってはあたりまえすぎて記録にならなかった庶民の生活の息づかいを浮き彫りにし………章ごとに「」部分を拾い読みしていくだけでも要点はつかめます。 常識を覆す良書です。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

3 日本史像の再検討を迫る本  35 point獲得のBEST書評  支持率 94.64 %

この本は明治以降の近代化以前の日本社会を、幕末から明治初期にかけて日本を訪れた西洋人の観察記録=文化人類学の検討を通じて、日本社会像に深刻な修正を迫る本となっています。 江戸文明とか徳川文明という日本の伝統的生活様式を………た江戸時代の社会像を、日本の歴史像を再構成することを迫っているように私には思えます。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

4 かつては日本もアジアの民だった  31 point獲得のBEST書評  支持率 93.94 %

いまこの本を読むと、幕末から明治にかけての日本を訪れた西洋人の目に映った日本人の姿が、かつて自分が旅したインドやネパールで触れたアジアの民の姿とだぶって見えてきてしかたがなかった。空間を移動することで初めて知………でいて随所で笑い、また目頭を熱くする思いを禁じえなかった。長く記憶に残る書物である。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

5 冷静に失われた過去を観るということ  30 point獲得のBEST書評  支持率 88.24 %

まず、本書が思い入れたっぷりな懐古趣味や、実現方法の 裏づけのない単なる復古趣味に陥ってない点は十分強調して おかねばならない。 何度も著者が断っているように、きちんと現在を語ろうと思 えば、そこへ至る過程で連なっ………かもしれな いが、妙な先入観を与えるので本書にとっては必ずしも良い とは思わないです。

このレビュアーはお薦め度を5としています。

この書評の本は・・・・・ 逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)