一般にヴェーバーの主著と言われる本(実際は膨大な宗教社会学研究の一環)。論争の中で膨大な注を付された。西欧近代合理主義の一つの現れとしての近代資本主義の成立という、複雑な要因の絡んだ一回性の史実を、禁欲的プロテスタンティ………ぶえ社、1987年改訂)が分かりやすい。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
近代資本主義の発展に関する、いわずと知れた有力な仮説が、この「プロテスタンティズム(特にピューリタンに顕著)の精神」です。この仮説を丁寧に手堅く展開したのがこの名著で、単なる思いつきで書く薄っぺらな凡百の本とは………たちに現代における知を提供しつづけるという意味で、まさしく古典の名にふさしい書です。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
未来予測としてのマルクス主義が、誤りだった事は明らかである。では、マルクスとエンゲルスが行なった文明の解剖が、全て誤りだったかと言へば、そんな事は無い。マルクスとエンゲルスの理論には、正しい面が沢山有る。中………過ぎると、思ふ。星5つにしたが、ウェーバーの主張に全面的に賛同する積もりは無い。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
35年前に読んだこの本が受験学部選択の要になりました。
経済社会という相対する事象を Marx は経済->社会、Weber は社会->経済として研究視座を置いた二人の功績はまるで相容れないと考えるかもしれません。しかし、経済学批………です。同様の国内における資本主義の成立を「勤勉の哲学」で山本七平氏が論述しています。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
利益追求を目的とする近代資本主義を生み出したのは、禁欲的なプロテスタンティズムである。世俗の富の蓄積は慎むべきであるというプロテスタンティズムが実は資本主義に見られる富の蓄積を推進させる土台となったのである………ど、実は禁欲から生まれ出たものだった。興味深い説だけど、実際はどうなんでしょうか。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
現代の拝金主義、金儲け社会、資本主義の成立とまさにその時代の宗教であったキリスト教のプロテスタンティズム。二つの関係を研究した社会科学の古典的名著。 近代社会の大きな転換期に、人々は何を考え夢見たのか? 宗教という観点から考察した本書は読者に社会と人間精神に対する深い知識と洞察力を与える。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
キリスト教が非常に禁欲的で禁忌の多い宗教だったのが、いかに変容して資本主義との精神的両立をなしえたのか?西洋の経済的、政治的発展のバックグラウンドを抉ったともいえる名著。いわれているほど難解ではなく、非常に読みやすい本です。西洋社会を理解するうえで必読だと思います。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
最後にこう書かれている。倫理なき職業人,享楽だけを,追い求める自由人。なんか,今の日本みたい。もちろん,学術書とのしての価値高い。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
この書評の本は・・・・・ プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)