表題にある「プロテスタンティズムの倫理性」と「資本主義の精神」は、無論、原因/結果の関係で捉へられてゐる訳ではない。多面的な出来事を概念的に扱ふ時に、或る見通しからアプロオチを試みるわけであるが、それに際して………速度を上げたとはいえ、ヴェーバーの見通しの中にいるように思へる。凄ひ眼力だと思ふ。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
利益追求を目的とする近代資本主義を生み出したのは、禁欲的なプロテスタンティズムである。世俗の富の蓄積は慎むべきであるというプロテスタンティズムが実は資本主義に見られる富の蓄積を推進させる土台となったのである………ど、実は禁欲から生まれ出たものだった。興味深い説だけど、実際はどうなんでしょうか。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
近代資本主義の発展に関する、いわずと知れた有力な仮説が、この「プロテスタンティズム(特にピューリタンに顕著)の精神」です。この仮説を丁寧に手堅く展開したのがこの名著で、単なる思いつきで書く薄っぺらな凡百の本とは………たちに現代における知を提供しつづけるという意味で、まさしく古典の名にふさしい書です。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
人は善い人になろう、と努力をするものであるが、しかし、それは通常、何かの動機がないと行えない。すなわち、人に好かれたいとか、人気者になりたい、というちょっと不純な次元もあるだろうし、隣の人に良くしたいとか、………ば、いかにすれば本当の意味での善い人間になれるのかを深く考えさせてくれる一冊である。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
常識としてこれは読んでおくべき。プロテスタントの精神を知らずして世界史だとか、経済、政治は語れないでしょう。こういった精神を無視して、社会科学を語っているやつらがあまりにも多いこの時代にぜひ読んでほしい一冊です。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
社会学のマックス・ウェーバーの代表作
本来,この書を軽々しくレビューすべきでは無いとは思いますが,門違いの私には
とても面白い本として読めました.
原因は,訳者である,大塚さんの力量でもあるし,この本の趣旨がわかる年代に
私………ず嫌いをするよりも,まずは斜め読みで面白さを感じるのも
良いのかなと思いました.
このレビュアーはお薦め度を5としています。
一般にヴェーバーの主著と言われる本(実際は膨大な宗教社会学研究の一環)。論争の中で膨大な注を付された。西欧近代合理主義の一つの現れとしての近代資本主義の成立という、複雑な要因の絡んだ一回性の史実を、禁欲的プロテスタンティ………ぶえ社、1987年改訂)が分かりやすい。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
現代の拝金主義、金儲け社会、資本主義の成立とまさにその時代の宗教であったキリスト教のプロテスタンティズム。二つの関係を研究した社会科学の古典的名著。 近代社会の大きな転換期に、人々は何を考え夢見たのか? 宗教という観点から考察した本書は読者に社会と人間精神に対する深い知識と洞察力を与える。
このレビュアーはお薦め度を4としています。
この書評の本は・・・・・ プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫)