なぜユーラシア大陸の文明が栄え、アメリカ大陸(ネイティブアメリカン)の文明を滅ぼしたのか。
そのキーワードとなるのが銃・病原菌・鉄である。
ではなぜユーラシア大陸でそれらが発展し、アメリカ大陸では独自に発展しなかったのか。
本書ではその理由を大胆な仮説で爽快に示している。
その理由はいわれてみればたしかにそうだなとうなずけるものであるし、実際、なんとなく
その理由を感じ取っていた人も少なくないと………がとてもエキサイティングなのだ。
これからの学問は学際的な知識が必要とされていると言われている。
この本こそまさにそれであり、新しい時代を切り開く良書である。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
高校時代に学んだ世界史の教科書の冒頭には必ず「四大文明は全て大河のそばで発展した。これは治水灌漑が大規模な土木工事を必要とし、それには複雑な政治形態を持つ大集団がなければならなかったから」といった説明がなされていたように思う。またヨーロッパ人がなぜ他の世界を支配するようになったか?という問いには「科学技術の進歩、特に銃火器の大量生産」が挙げられていた。その裏には「だから日本人は他のアジア人に先駆………ではわずかな割合でしかない。
本書の説もまたひとつの仮説ではあるが、圧倒的な実例に基づく理論は非常に説得力を持つ。上下巻の大著だが知的興奮を約束する良書。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
アステカやインカ帝国がヨーロッパ人に征服されたという歴史的な事実は有名だけれども、なぜその逆では無かったのか、と考えた人はあんまりいないと思う。
つまり、なぜインカ帝国の方がヨーロッパを征服することにならなかったのか、ということ。
人種間に生物学的な差異があるから(ヨーロッパ人の方が優れていたから)、ヨーロッパ人の方が征服できたのだという考え方は、簡単の答えが出るのかもしれないが、やはり………
人種間に知的能力の差異があると信じていたり、IQが高ければ頭が良いんだと思い込んでいたりする人は、是非一度読んで欲しい。
☆200個つけても足りない・・・
このレビュアーはお薦め度を5としています。
今まで読んだノンフィクション本の中でも、最高の本だった。歴史の積み重ねとして生まれた現在を、今度は逆にさかのぼっていき、歴史の根源を探っている。この本以外にも、Third Chimpanzeeなど、非常に面白い本を書いているが、翻訳版はでているのだろうか。科学的な説明だけで終始しているわけでなく、歴史的な場面を読者の頭の中に描き出し、そこから生まれてくる疑問点に対し、一つ一つ丁寧に解答を与えていく。読んでいて楽しいのはもちろん、読み終わった後に、ひとつ賢くなった、と満足感を覚える本だった。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
インカ皇帝は何故ピサロ率いるたった168人のスペイン部隊に敗れてしまったのか。また、そもそも何故、アメリカ大陸を征服したのは旧大陸(ユーラシア大陸)のヨーロッパ人で、その逆ではなかったのか。オーストラリア原住民のアボリジニは何故石器時代から抜け出せなかったのか。アフリカは人類発祥の地であるにも関わらず何故暗黒大陸に陥ってしまったのか。
これらは歴史を勉強した人は誰でも感じたことがある疑問だろう………関係していると知って驚いた。
普段はこの手のアカデミックな本は滅多に読まないが、本書に関しては読後に知識欲が満たされた充実感があり、大ヒットな一冊であった。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
世界の富が今のように偏って存在するようになったのはなぜか?
支配する人と支配される人にわかれてしまった原因はなんなのか?
そのような壮大な問いに答えを提供しようとしている、すごい本だ。
かといって小難しい話ばかりが続くのではなく、豊富な実例や統計を元にした、一般の読者にもわかりやすくてなるほどと思わせるような語り口なんである。
タイトルの3つは、スペイン人がインカ帝国を征服できた直接の原因を凝………とを抜きにしても、とにかくこの本を読んでいると楽しい。
「おれはすごいことを知ってしまった・・・!」
みたいな錯覚(?)が味わえます(笑)
おすすめです。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
著者は「世界のさまざまな民族がそれぞれに異なる歴史の経路をたどったのはなぜか?」という問いとその答えの追求は、西欧中心主義からでも文明礼賛からでも支配の正当化のためでもなく、あくまでも人類の歴史の理解のためだという。
確かに著者にとってはそうなのだろう。本書の中で紹介されるニューギニアの現地人や、農村で働くインディアンに対する著者の視線は自意識の歪んだ差別主義者のものではなく、人間に対する深い………答え「自然環境」と「時間の経過」という2つの原因は、人種差別よりも、はるかに厳しい運命として現代社会で被支配的な地位にある人たちの前に立ちはだかっている。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
著者はアメリカ大陸とユーラシア大陸で文明の格差が発生した根本的な原因は大陸の長軸の方向の違いだと言う。文明の発達過程において、植物栽培や家畜飼育が人口を増加させ余剰生産物を生み、そこに技術や文化が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。そんな状況の中で、緯度が異なれば植物栽培や家畜飼育の方法も全く異なってくる事がアメリカ大陸での技術の発展を妨げた。著者はアメリカ大陸では同一の種が栽培・飼育………論展開はさすがである。ただし、全体がやや冗長であるのが唯一の問題点かもしれない。原著は1冊であるが、日本語翻訳版でも1冊にまとめるぐらいの長さにしてほしかった。
このレビュアーはお薦め度を5としています。
この書評の本は・・・・・ 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎